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とりあえずかけそば一丁

アニメとか映画とか気になったものについて

ロボットアニメ録「機動戦艦ナデシコ」

大学生らしくたまにはレンタルでも見ようかと。

というわけで選んだのがこれ。

佐藤竜雄作品のシゴフミが面白かったので、期待しつつ拝見。

・・・

美少女×ロボットアニメ、今で言えば萌えの先駆け的な作品。
ここまで主人公のハーレムを全面に押し出した作品は当時先進的だったと思う。
そのせいで、「こんな女性はいない」というバッシングもあったそうな。

今見てみると、逆にこのタイプの主人公が今ではメジャーになっている。特に何かできるわけでもないのにモテるという。(アキトがエースパイロットというのは全く納得がいかないし、そのような描写も見当たらないのだが…)

女性キャラは、ユリカ、ルリルリ、リョーコ、メグミちゃんと全タイプ揃っていてどれでも好きなの持って行きなっ!という感じ。
特にユリカ役の桑島さんの演技が光ります。彼女の演技でユリカの人間らしさ、ただの天然じゃない感情の起伏などが視聴者に伝わっていたと思います。
桑島さんについては、EDの歌を担当していたことや、顔出しの番組があったところからアイドル声優として売りだそうとしていたことが推察されます。結局本人の希望か現在の形で声優を続けられていますが。

内容面では、主人公がオタク、且つ見ているロボットアニメの世界観を崇拝している敵という展開が興味深い。
ストーリーでは、「戦っている敵が実は同じ人間だった」、「本当の正義とは何か」という展開だが、シリアスさに欠け悲壮感が伝わらない。
むしろこの作品は、全体に漂う「シニカルさ」がポイントだと思う。ガンダム〜EVAを通してロボットアニメという系はひとつの終焉を迎えてしまった。じゃあその後どうするの?という問に答えの一つが「ナデシコ」であると。そしてその答えとは、ロボットアニメそのものを俯瞰し、シニカルに描き直すという行為。
「主人公がオタクである」という設定は、明らかに主人公に転移する視聴者を意識しています。そして視聴者であるオタクという存在(=主人公)を画面内に配置することでメタ構造を生み出している。
その主人公が、お約束通りの展開でハーレムになり、エースパイロットになり、という視聴者の欲望を余すところなく実現する。逆に、EVAで描かれ続けた主人公の葛藤という部分は、要素をちりばめつつもほとんど描かれないままである。

その主人公の成長を補完する形で描かれたのが「劇場版ナデシコ」。この作品のテーマは「愛のために戦う」というのところであると思う。アキトがユリカのためにどこまでも戦うという。

主人公が見ているロボットアニメの世界観を崇拝している敵については東浩紀氏が語られている通りだと思うが、個人的にはオウム真理教の影響もあったかと思う。「アニメ(だけじゃないけど)原理主義は怖いよ」というメッセージ、そしてアニメから生き方を学ぶことへの懐疑。

まとめると、「ナデシコ」はそれまでのロボットアニメの精神性を消化した上で、「ロボットアニメって精神性とかそんなんじゃなくて、単純に美少女×メカでハッピーじゃん」という開き直りを提示した作品だと思う。そういう意味でも、2000年以降のアニメの方向性を決定づける作品であると思う。