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とりあえずかけそば一丁

アニメとか映画とか気になったものについて

けいおん!!の空気を読む

実は完走していないけいおん!!、最近15話(マラソン大会の話)あたりから見始めたのですが、以前は感じなかった感覚に陥ったのでまとめておこうと思います。

けいおん!!を見てて思ったのが、「他の日常系とは空気が違う」ということ。
日常系のアニメを自分の中で定義しきれていないのですが、ここでは「会話劇を主体とした、ファンタジー要素を排した物語」というようなもので大雑把にまとめておきます。

具体例をあげると「Aチャンネル」「ひだまりスケッチ」「ゆるゆり」「GA」「たまゆら」「スケッチブック」あたりになるでしょうか。芳文社原作の作品が多いですね。

まんがタイムコミックスでは、他にも「ゆゆ式」など、アニメ化はされていませんが日常系に該当するジャンルの作品が多い印象を受けます。

個人的には「たまゆら」にはファンタジー要素を感じるので日常系ではないと考えますが、他者様のブログなどを拝見すると日常系にジャンル分けしているようなのでそれにならいました。

さて、ここまで日常系の定義について述べてきましたが、ここからは「けいおん!!」が他の作品とどう違うかについて考えたいと思います。

Aチャンネル」が典型的だと思うのですが、日常系の作品は登場人物たちの立ち位置がしっかりしています。例えば、るんちゃんがボケ、トオルがツッコミ、ユー子がいじれられ、ナギがまとめ役という感じです。

このように日常系でキャラの立ち位置がしっかりしているのは、物語にオチを付けやすくするためであると考えられます。
日常系作品の多くは4コマ出発の作品なので、アニメ中で深い心情の描写は向いていません(多分に例外はありますが)
それよりも、些細な事件やノリの良い会話劇などを通して、登場人物同士の馴れ合いを描写するほうが向いていますし、それが基本となります。

それに対して「けいおん!!」では他の作品とは違ったアプローチをとっています。確かに「けいおん!!」でも、上に述べたような特徴はほぼ備えていると言ってよいでしょう。特に、唯、澪、律、紬の4人は立ち位置がかなり強固に固定されたキャラです。「けいおん!」(1期)ではこの4人の会話劇を中心に成り立っていた面が強いです。それに対して「けいおん!!」では梓の存在感が徐々に増して来ます。実際に彼女目線で語られる話数もあります。(16話など)
2期では顕著なのですが梓は他の4人と比べるとキャラに一貫性がありません。(1期では真面目な後輩という立ち位置でした)16話ではそのことを彼女が自覚し改善を図りますが、結局徒労に終わります。

このことから何が言えるのかといいますと、「立ち位置の決まったキャラクター」が主体である日常系において「梓」という異質が混じることにより奇妙な空気感を演出しているのです。人物間のエネルギー準位が不安定になるということです。ですから、「けいおん!!」の後半では、梓が自分のアイデンティティをどのように回復させるか、自分の立ち位置をどこにみつけるかが物語の一つのテーマとなるのです。これは他の日常系作品にはないリアルさを作品に与えているのではないでしょうか?

さらに、「けいおん!!」では「会話そのものの面白さ」よりも「会話に漂う空気感」を重視しているように思えます。敢えて会話劇の内容を弱くして、キャラクターの表情、動きといったもので魅せるということにこだわっているように感じます。

これらを総括すると、他の「日常系」作品が「日常」という欺瞞を演じているのに対して、「けいおん!!」では「日常」を「日常らしく魅せる」ことに中心を置いているため、他の作品とは違った感覚を視聴者に与えていると言えると思います。
(これに対するアンチテーゼとして「日常」を考えることが出来ると思います)